「キャリア教育」に対する関心は着実に高まりつつありますが、今後さらに全国の学校・行政企画・企業・地域社会に浸透させ、より多くの子どもたちの参加を得て、実践していく必要があります。その推進のために設立されたのが「一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会」です。
設立趣意
21世紀を迎え、現代社会はかつて経験したことのないスピードで変化を遂げています。
これまでに存在しなかった新しい科学技術を使いこなし、グローバルな視野で世界を見据え、論理的思考力で物事を考えながら、経済的・社会的問題を解決する力を持つ人材を育成することが急務です。
しかしながら、現代の日本社会では、若者の未就職や早期離職の問題が顕在化してきています。また、それだけではなく、希望の大学への進学を果たしたところで目標を達成してしまい、中途退学をする例も見受けられます。
これら実態の背景としては様々な要因が考えられますが、その一つとして「学ぶこと」と「働くこと」の関連付けの希薄化が挙げられます。
こうした要因に対応するために、学校では実社会や職業とのつながりを視野に入れ、その関係性を理解させることで学習意欲を向上させる「キャリア教育」が重視されつつあります。
一方で、地域社会に目を移すと、教育への何らかの投資に関心が高まりつつあります。日本の将来を担っていく子供たちに対して、自らの経験を通して教育貢献をし、学校とともに協力し合って育てていこうと考える企業や地域社会が増えてきています。
そこで私たちは、子供たちや若者たちに、勉強と社会をつなげ学習意欲を向上させるための、発達段階に応じた「キャリア教育」が必要であると考えてきました。そして、「キャリア教育」を学校・地域社会により広く、より深く浸透させるために、産業界と教育界のかけ橋となる「キャリア教育コーディネーター」という専門人材を育成し、質の向上をはかってきました。
しかし今後はこの取組を持続的に、さらに全国の学校・行政機関・企業・地域社会等にまで浸透させ、実践していく必要があると考え、全国規模のキャリア教育コーディネーターネットワーク協議会を設立します。
子供たちや若者たちが、将来、国際社会において一人一人の役割をしっかりと担い、主体的に、意欲をもって活躍していける人材として育っていくことができるよう、「キャリア教育」をさらに振興させ、発展させること、また、社会で生きる全ての人々が持つ教育力を如何なく発揮していける社会にし、さらに自らの豊かな学びが追究できる社会を実現することを目指します。